GINGER 「VALOR DEL CORAZON」
何を血迷ったかBRIDES OF DESTRUCTIONに入ったジンジャーが、あっという間に脱退した後に製作したソロアルバム、「VALOR DEL CORAZON」。
MySpaceで先行発表されていた2曲を聴いた時点では、おセンチなバラード系が主軸になるものと予想していたけれど、「カントリー、ゴスペル、ロックンロール、ブギー、リフ満載の曲やポップ/パンク/メタルの曲等、ありとあらゆるジャンルを網羅している」と本人も語る通り、実にバラエティ豊かな仕上がり。
イチオシは(12)"Drinking In The Daytime"。カントリー調の序盤に和んでいると、突如として切り込んでくるメタリックなリフ。次々に姿を変えて襲い掛かるリフの嵐は、各フレーズのカッコよさといい、先の読めない緊張感一杯の展開といい、圧巻。ラストスパートとでも言いたげな加速の後、強引に序盤のイメージに帰結させるエンディングを迎える時には、嵐に揉みくちゃにされて茫然として取り残されている自分がいる。WiLDHEARTSの新曲といっても全く違和感なしの、アグレッションとポップネスを兼ね備えた強力なハードロックナンバー。
他にも、ヘヴィなリフを主軸に据え邪悪な雰囲気さえ漂わせる(17)"My Friend The Enemy"や、珍しくジンジャーが弾きまくる(18)"Bulb"も、WiLDHEARTSに近いイメージといえそう。
(2)"Mother City"、(4)"Yeah, Yeah, Yeah"、(14)"Only Lonely"あたりも、攻撃性を取り除いて甘い部分だけを残したWiLDHEARTSといった趣で、派手さはないものの、印象的な展開が彩を添えるキャッチーなメロディには、「さすがジンジャー」と嬉しくなる。
とにかくメロディの充実度には惚れ惚れしてしまうわけで、(5)"This Is Only A Problem"や、先行発表されていた(6)"Ten Flaws Down"、(8)"The Man Who Cheated Death"も素晴らしいメロディを聴かせてくれる。特に、"The Man ~"はSILVER GINGER 5の"Church Of The Broken Hearted"を想い起こさせるバラードの王道とも言える曲で、特にひねりもないシンプルな作風ながら、コーラスの美しいメロディや、そこに向かって盛り上がっていく展開がいつまでも頭に残る。
打ち込みによるファンキーなリズムにノイジーなギターが乗るインスト(3)"G.T.T"や、アルペジオのゆったりとした調べに女声コーラスが入る(10)"L.O.V.E."あたりは、今まで聴くことのなかった新機軸。何となくアルバムのイメージを散漫にしている気がしないでもないけど、ジンジャーの引き出しの豊富さを垣間見ることができる。
最愛のアーティストのアルバムということで、バイアスが掛かっていることは否定できないけど、かなりの力作と評価したい。特にメロディの素晴らしさには、文句のつけようがない。
2枚組み全19曲というボリュームのせいもあって、何となく焦点が定まらずトータルとしてのまとまりに欠ける感じだけど、ひたすら思いつくままに曲を吐き出したかのような作風は、このアルバムがジンジャーにとってセラピーのような役割を果たしたと解釈すると、納得がいく。
こうなってくると、ライヴも観たくなってくるな。
でもさ、WiLDHEARTSの方も頼みますよ・・・やっぱり、バンドでないと出せないマジックみたいなものがあるんだよね。







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